あおむしのいる山手線

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電車で座ってると、2つ横に座ってたおばさんの悲鳴が聞こえた。みると、購入した大きな木にあおむしがいて、驚いたらしい。あおむし程度で悲鳴をあげるおばさんに驚くが、駅に着いたので彼女は降りたいけど、シートにいるあおむしをそのまま置いとくのは悪いと思ったらしい。たしかに電車であおむしなんて見たことない。するとおばさん、傘で潰して殺そうとした。その行為にびっくりしたので、ちょっとちょっとと言って近づき、あとはぼくがしとくんで、と言うと、めんどくさいことから解放されたので、うれしそうに電車を去っていった。

こういった、生き物の命にたいして慈しみの心をもってないのは都会人の悪いところだ。なぜ安易に殺そうとするのか。小さい生き物でも、たった一度きりの命を、一所懸命生きてるじゃないか。なぜそういう考えができないのか。私はあおむしをかわいいと思うが、まあそれは人によって好みがあるかもしれない、しかしゴキブリなどとちがい、人に害はないわけだ。なぜいい歳したおばさんが虫がいるぐらいで驚かねばならないのか。

ということを考えつつあおむしをみてると、シート上で元気よく動いている。山手線内での光景としてはおもしろい。さらに、よくみるとアブラムシまでいる。彼もほっとくと人のお尻に踏まれて確実に死ぬので、あおむしとアブラムシを捕まえて、外に出て、木に逃がした。

断言はできないが、これはモンシロチョウの幼虫ではないか。無事に羽化しても場所が都心なので、クルマに轢かれずに生を全うするのは難しいと思うが、がんばって生きてほしい。傘で殺そうとしたおばさんには驚いたが、この人のおかげで久しぶりにあおむしと触れ合えて、うれしかった。