BMWのバイクとクルマを見に行く S 1000 RRとM760Li xDrive

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「S 1000 RR」はBMWスーパースポーツモデルで、このクラスは日本車の独壇場だったが、2009年にBMWがS1000で参戦してきた。消費者にすれば選択肢が増えるので喜ばしいこと。性能に関してはS1000に乗ったことないのでわからないが、ライバルと比較した結論はわかる。性能に差などない。全てのメーカーが本気で作っているのが1000㏄のSSなので、みんな凄い。したがってSSを買うなら好みで選べばいい。みんなそうやが、S1000のデザインも非常にカッコいい。S1000の特徴は、非対称のヘッドライトの形状である。非対称デザインを成立させるのは難しいと思うが、カッコよく仕上げるところにBMWのデザインのレベルの高さを感じる。他には、日本車は最後発のGSX-R1000の発売をもってして、4車のメーターがフルデジタルメーターになり、1000㏄のSSでタコメーターがアナログなのはS1000のみとなった。メーターは運転中に常に見るものなので、それも立派にひとつのデザイン上の特徴として挙げられると思う。

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S1000について考える際に、もっともおもしろいなと思うのは価格である。約220万円で、日本車のSSと価格がほぼ変わらない。本来なら、クルマと同じくBMWのバイクは同じクラスの日本車より高価である。それはブランド料も含まれていると思うが、最大の原因は日本車よりもパーツにコストをかけているからだ。ではなぜSSでは価格が近いかといえば、日本車もSSに関してはコストをかけて作っているからである。BMWと同じように作っているということ。私は日本メーカーを応援したいと強く思っているので、SSを買うなら日本車にすると思うが、その気持ちがなければBMWを買うだろう。憧れのBMWを日本車と同じ価格で買えるなんて素敵だ。

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ところで私は、バイクのリアシートには、以前に乗っていたCB400SFに一度、乗っただけである。そしてバイク屋でバイクに跨るときは、サイドスタンドで停まった状態なので、リアシートには座れない。ということでバイクの後ろに乗る機会はあまりなかったことになるが、このショールームでは半数のバイクが地面に固定された状態で展示してある。したがってリアシートに座れる貴重な体験ができた。それぞれの後ろに座ってみると、たとえばK1600GTのリアシートは素晴らしく快適であったが、S1000のリアシートに座ってビックリした。リアシートの面積が狭いのは見ればわかるが、座るとあまりに小さい。これは絶対に怖い、こんな左右に揺らされたら落っこちてしまいそうなシートに座って100㎞/hぐらい出されたら、ジェットコースターの比ではない恐怖感があるだろう。というか、危ないだろう。SSのリアシートはエマージェンシー用で、2人乗りするバイクではない、と今回やっと理解できた。たしかに考えてみると、SSで2人乗りをしているのを見かけたことない。

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クルマは「M760Li xDrive」に座ってみた。これは7シリーズの最上級モデルで、V型12気筒、6,6リッターのターボエンジンを積み、最高出力は610ps、最大トルクは81,6kgmと凄いエンジンである。12気筒エンジンは珍しく、日本車ではセンチュリーだけで、私はセンチュリーを少しだけ運転したことがあるので12気筒エンジンを味わったことはあるが、同じ12気筒とはいえ7シリーズのそれはパワーがまったく違う。したがってどんな加速をするかなど、エンジンについての想像ができない。価格は2420万円で、消費税でアクアが買える。NSXやウラカンと同価格ですね。運転席に座ると、インテリアの質感の高さ、デザインの良さに感動する。ただ、ボディが大きいので運転しづらいのではないかなぁと思った。慣れるのかもしれないが、これほど大きければ運転していて愉しくないような気がする。リアシートに座ると、当然ながら世界中のクルマのなかでトップクラスの快適性がある。しかしながらこのクルマの後ろに乗って出勤したい…とは思わない。私はクルマ好きなので、後ろでふんぞり返るのではなく死ぬまで自分で運転したい。このM760Liはいろんな意味で私とは無関係のクルマやが、素晴らしいクルマであることはよく理解する。100㎞ほど運転してみたい。今秋に発売されるレクサスの新型LSはこの7シリーズやSクラスなどと戦わねばならない。日本人なのでLSに勝ってほしいなとは思うけど、それは難しいだろう。

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さて、BMWについて書くと、私はミュンヘンにあるBMWの本社に行ったことがある。そして四輪と二輪の両方を作っているメーカーはホンダとスズキとBMWだけである。したがって私は、BMWが大好きだ。好きではあるけれど、縁はないのでただの片思いである。

東京モーターショーで、ベンツとポルシェは展示車に鍵をかけており、客がシートに座れないようにしていたが、BMWは鍵をかけておらず、7シリーズにも座れた。そのときに思い出したのは、BMWは80年代ぐらいに日本市場では赤字やったが、それでも一所懸命クルマを売っていた。なぜかというと、日本のお客は世界で一番、品質を見る目が厳しい。したがってその日本で成功しなければBMWの未来はない…と彼らは考えていたのだった。東京モーターショーで鍵をかけていなかったのは、80年代のBMWの考えが今も続いているのではないか…と考えて感動したのである。

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このように、BMWは走りにこだわるメーカーとして独自のブランドを確立し、バイクも作っていて、バイクもまた強烈な個性を持っているという素晴らしい会社である。将来、もっとバイクにくわしくなって、BMWのバイクに乗り、日本車とはちがう素晴らしい個性を理解できたなら、私がBMWのバイクに乗る日はいつかやってくると思っている。

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