レクサス LC500hに乗る

バイクの試乗会が終われば、次はクルマの試乗会が始まる。車種はレクサスのLCに決めた。しかし!クルマはバイクの応募者よりはるかに多いだろう、LCは希望者が多いので予約を勝ち取るのは難しい。会場内に試乗受付のモニターがある場所があり、そこにはスタッフも常駐している。聞くと、次の予約時間までモニター前をキープさせてくれるという。そして予約のボタンを押すまでの過程に、下にスクロール→ボタン→下にスクロール→予約ボタンの作業があるが、スタッフがスクロールし、私がボタンを押す、という役割分担をし、スマートフォンからも参加する大勢の人達のなかで一番早くボタンを押す体制をつくる。スタッフには、「私が狙っているクルマは1千万円以上するクルマで、この機会を逃すと一生乗れないです。だから私は本気です」と言い、こちらの気持ちを理解してもらった。時間までに何度も何度もシミュレーションし、練習した。時刻をみて、カウントダウンする。予約可能時刻になると瞬時に2人の連係プレーが始まり、1秒ほどで予約ボタンを押す。レシートが出てきたときには私を含む数人が歓喜の声を上げた。やった!スタッフも自分のことのように喜んでくれた。1人だったら当選しなかったんじゃないかなぁ。協力してくれたスタッフのおかげである。当然、礼を述べたが、ありがとうを言うだけならバカな奴なので、自販機でリアルゴールドを買ってきて、渡した。130円の出費でLCに乗れるなんて、夢のようだ。

 LCの最大の魅力は存在自体にある。こんなクルマはかつて日本車にはなかったと思う。昔のソアラも高級スポーツクーペでジャンルは同じかもしれないが、価格帯が違う。LCは本物の高級車で、私が乗ったLC500hは13,500.000円。やっと日本メーカーもこういうクルマを作れるようになったのかと感慨深いが、デザイン担当は日本人ではない?

もしかすると、厳密にみればライバルがいないのかもしれない。ベンツとポルシェで同価格の似たモデルはオープンカーになる。

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試乗コースで実車と対面すると、ほんとにカッコいいな!と思った。運転席に座ると車高が低く、かつ幅が広いので一般的なクルマとは雰囲気がまったく異なる。この車高の低さはスポーツカー、高級なスポーティーカーだけのもので、運転すれば非日常を味わえる。その概念で考えれば、バイクと同じだ。さらにはインテリアも素敵だ。木目をあまり使っていないことから、スポーティさをより出している。

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エンジンのラインナップは2つあり、自分が買うなら試乗車でないほうのV8の5000㏄を買うが、カタログ燃費はなんと7,8㎞/L!ということは一般道で6㎞/Lぐらいか、恐ろしい数字だなぁ。ただし、むちゃくちゃおもしろいエンジンだとは思う。大排気量のV8エンジンは非常に「濃い味」だろう。時代の趨勢で、こういったエンジンは一部の車種以外からは消えていくと思う。

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さて、大変に関心があるLCを運転することでどんなクルマなのか知りたいところやが、同乗者のレクサスの担当者が「制限速度は40㎞/hです」。私は耳を疑った。よ、よ、40㎞/h!?そんなチンタラ走って何がわかるねん!午前に試乗したバイクのCBR1000RRでは先頭の誘導員が短いストレートではあるがスピードを出させてくれたので一瞬やが100㎞/hぐらい出せたが、こいつはそれの真逆の対応だ。驚いたし腹立ったが、しかし後で冷静になって考えると、それはしかたないことかもしれない。というのは試乗者にヘタクソも混じってるだろう、ペーペーだっているかもしれない。メガウェブのコースのカーブは狭いのでLCやGT-Rなどをブツけられたらそりゃ困る。LCのような高額車を試乗車に用意しただけでもありがたく思えよ、というのがトヨタの率直な思いだろう。ということで40㎞/hしか出せないのならどうしようもない。逆にこんな上限速度で走るのは初めてやったが、クルマについてまったくわからんもんやなぁ、とわかった。だってエンジンの状態がアイドリング時と変わらんだろう。

アホの同乗者に聞くと、まだ日本で数十台しか走ってない(10月時点)とのことで、乗れただけでも素晴らしいことなのだろう。文句なんて言っちゃいけない、たぶん…。

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ということで性能がまったくわからないが、大変な魅力はあるのだろう、そして見ればわかる通り、カッコよくて雰囲気もいいし存在感もある。だからこそ都内でたまにみかけるのだ。LCは趣味のクルマで実用性はあまりない、そんなクルマが高額なのに売れていることに驚く。カテゴリーを問わねば1千万円を超えると魅力ある車種はたくさん存在する。そのなかで金持ちからLCは評価されているわけなので、やっぱりいいものはいい、ということだろう。

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クーペのデザインの大きな魅力のひとつはボディのシルエットにある。クーペはこの角度から眺めるのがもっとも美しいと思う。

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