熱田神宮に参拝する

名古屋を訪れると、真っ先に行きたい場所は熱田神宮になる。歴史のある立派な神社でありながら、名古屋駅から近い。残念なことに天気が悪くて、雨が降っているなら参拝を諦めねばならなかったが、いつ降りだしてもおかしくはないけど降ってはない、という状況だったので熱田神宮に向かう。たぶん初めて名鉄に乗った。車両がけっこう古くて、ちょっと驚いた。

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鳥居をくぐってから、本殿までの参道をしばらく歩くので敷地が広い神社だ。手水舎の近くで茶色の鶏が3羽いた。境内で生き物を虐める奴はいないので、人馴れしており近づいてもビビらない。コケコッコーを何度も聞くことができてラッキーだった。朝ならふつーに聞けるでしょ、と思うかもしれないが、しばらく様子を伺っていると、鳴くときは完全に彼らの気分次第だ。私らが叫ぶようなもので、体力も使うっぽい。毎朝鳴いてるのだろうが、会うタイミングによっては聞けないかもしれない。

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やっと本殿に近づいた、というあたりで、目の前の地面になんと、亀の子どもを発見した。動いてたわけでなく身を甲羅の中に隠した状態で、ここは砂利の上なので多くの人はこの子亀の存在に気づかないだろう。そもそも参道に亀がいると思わない。まずは気づいてよかった、人に踏まれたらおそらく死んでしまう。しかしこのあたりには亀が棲んでいるのか?自分が通ったルート上に池などはなかった。とりあえず熱田神宮に詳しくないので、近くのお守りとかを売っているところへ行き、神社の人に聞くと、境内に池があり、たまに大人の亀が歩いているとのこと。この亀を逃がしたいので池の場所を教えてくださいと言うと、「一般の人は入れないんです」。あー、なるほど、そういうことか。だったら私ができることはない。けれどもまだ子どもなのでその辺に逃がすことはできない、この人か他の神社の人に池まで連れていってほしい。すると少し時間を置いて、「わかりました、後で私が池まで行って逃がします」。それが最もいい方法なので、亀をこの人に渡す。最後まで顔は出さなかったけど、しっぽは出してきて、すごくかわいかった。神社の人が「たまに亀は見かけますが、こんなに小さいのは…」と言っていたので、かなり珍しいケースだろう。そもそもいても気づかないか。よくぞここまで歩いてきたもんだ。亀は縁起がいいといわれる生き物なので、出会えたことは幸運だ、と思い込むことにする。

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本殿を前にすると、格式の高い神社だと感じた。こんな立派な神社が名古屋の中心から近い場所にあることに驚く。ここに祀られているのは三種の神器草薙剣。信長が今川軍と戦う前に熱田神宮で必勝祈願し、その際に本殿から刀(か鎧)の音が聴こえたという。それを聴いた信長は勝ち運は我にあり、と喜び、実際に戦力で遥かに劣る織田軍が勝利した。(という逸話があったはず)

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熱田神宮は、全体の雰囲気が明治神宮と非常に似ている。明治神宮を創建する際にこちらを参考にしたのではないか。そう思うほど境内も社殿も似ている。帰り際に亀を託した人を見ると、机の横を見ていた。亀が顔や手を出して歩こうとしているのだろう。亀で遊んでないでさっさと池に戻せよ、ではなく、まだ7時台で店に彼しかいなかったからその場を離れることができない。帰路の参道では場所を移動した鶏がまた鳴いてくれた。行きとは違う鳥居を出て、駐車場を見渡す。8年ほど前にここへバイクで来たのやが、ああここに停めたな~と記憶が蘇った。名古屋に来たら熱田神宮に参拝する、は絶対に外せないなと思った。