BMWのバイクを見に行く F 700 GS  G310R  K 1600 GT…

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BMWのバイクは強烈な個性を持っているので、日本車にとって強力なライバルである。魅力を挙げると、ひとつひとつのパーツに質の高い物を使っており、その結果、質感の高いバイクが出来上がる。BMWはクルマでも走りのよさにこだわるメーカーなので、当然バイクでもそこは妥協しない。そしてBMWのブランドイメージもよい。たとえばクルマなら、一番安いモデルなら300万円台で買えるが、ふつうBMWを買うとなれば、500万円以上はする。ただバイクなら日本車より高いとはいえ100万円台から買えるので、バイクで憧れのBMWに乗る、というのは正しい考えだろう。日本車を愛する私でも、一度はBMWのバイクを所有してみたいと思っている。当然それらを逆にみると、価格は日本車よりずっと高くはなる。ということで去年にできたお台場のBMWショールームに行く。ここのよいところは、庶民でも気軽に立ち寄れること。ふつうのBMWのディーラーだと、着ている物が計1万円もしない私が行けば、警察を呼ばれて逮捕されてしまう。

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まずは「F 700 GS」。これは日本車でいえばホンダのNC750だろう。75psとパワーはそこそこやが、着座位置が高く、荷物をたくさん載せることができ、ロングホイールベースなのでまっすぐに走るには安定していて楽だろう。したがってツーリングには素晴らしい相棒になる。ただし、ブレーキはブレンボで金をかけているが、正立フォークである。130万円のバイクで倒立フォークでないとはいかがなものか。1000㏄のアフリカツイン、V‐Stromは140万円ほどで倒立フォークである。全体をみても、お金をかけて作ったという雰囲気は、BMWとして見ればあまり感じない。そういう意味でBMWらしくはないと思うが、ヘッドライトの形状が非対称なのはBMWのデザインだ。おもしろいのが横に位置するガソリンの給油口で、このメリットは荷物を載せたままで給油できること。人に聞いたので確実に事実かはわからないが、これはBMWの特許やとその人は言っていた。ホンダがNCでこれをやりたかったが、その理由から断念したらしい。

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次は発売されたばかりの「G310R」。これの特徴は、普通自動二輪免許でBMWに乗れる。そして税込58万円という安さでBMWに乗れること、である。走りがよいかどうかはわからないが、そこそこよいのであれば素晴らしい。そしてなんといってもBMWのバイクに60万円程度で乗れるなんて夢のようなできごとだ。「何のバイクに乗ってるの?」と聞かれ、「BMWに乗っている」と答える自分の姿を想像してみよう。生産国はインドやが、安いのに倒立フォークとそこは正しくBMWだ。デザインもそれなりにカッコいいので、世界規模で売れるモデルになるだろう。

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お次は「K 1600 GT」で、これはもうThe BMWといったバイクだ。デザインのレベルが非常に高い。日本車でいえばヤマハのFJR1300と同じカテゴリーのバイクやと思う。コストを贅沢にかけて作ったであろうことが、見るとよく伝わってくる。エンジンはなんと6気筒!ものすごいスムースなエンジンの回り方を味わうことができるだろう。走りも素晴らしくよいはずだ。FJRや隼、ZX-14Rと比べると、デザインの質感が1ランク違うなと思う。こういうバイクを作れるところがBMWの凄いところであり、日本メーカーが真似できないところでもある。その代わり価格は300万円なので、たとえばトヨタの86よりも高い。ただその金額分の価値は十分にあると思う。細部のパーツひとつひとつに金をかけていて、その結果としてこういう完成度の高いバイクになる。K 1600 GTで北海道ツーリングに行けば、どんなに愉しいことだろう。日本車の上限は200万円程度やが、こういう300万円クラスの奥深いバイクも作ってほしいと思う。

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