新型GSX-R1000を見に行く 『The KING is Back』 2017年モデル

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2017年に発売されるバイクの新型モデルのなかで、最大の注目車種がスズキのGSX-R1000(以下、R1000)であることはまちがいない。スズキワールド(スズキの直営店)に展示車が用意してあると知ったので、50㎞の距離を走って見に行ってきた。

初めての対面の感想は、これはもう『カッコいい』としかいえない。写真でも動画でもカッコよかったが、実車もむちゃくちゃ素敵だ。1000㏄のスーパースポーツ(SS)は各社のフラッグシップモデルである。R1000は2009年以来のフルモデルチェンジになるので、販売店にとっても新型の発売はものすごくうれしいことなのだろう、お店の人が丁寧に説明してくれた。

R1000は8年ぶりのフルモデルチェンジなので、誇張でなく、むちゃくちゃ多くの変更点がある。すべてを書けばすごい文量になるし、私には理解できない性能も多々ある。スペックは最高出力が202PS/13200rpm、最大トルクは12,0kg-m/10800rpm、車重は202㎏。驚くことに、最高出力が200馬力を超えてきた。ただし、サーキットの直線以外で13000rpmまで回すのは不可能やと思う。私のGSR750は最高出力が106馬力やが、これでもツーリング先でレッドゾーン手前まで回せる機会はあまりない。200馬力なんて想像できないパワーだ。私なら怖くて回せないだろう。

軽量化について書くと、このクラスは可能な限りの軽量化をするため、それぞれのメーカーは涙ぐましい努力をしているが、R1000のタンクの前部分はプラスチックだった。これは前と後ろをコンコンと叩けばわかる。おもしろかったのはデジタルメーターである。私はデジタルメーターの利点は同サイズでより多くの情報量を提供できる点やと考えていたが、先代のタコメーターがアナログのものに比べ、軽くできると初めて知った。教えてもらって見てみると、たしかに幅が薄い。テレビと同じですね、と言うと、「その通りです」。軽量化のために、ブレーキレバーに穴が開いているのには本当に驚いた。ここまでするのが1000㏄のSSなのだろう。おもしろい話だったのが、一昔前のバイクで300㎞/hを超えるような速度で走ると、風圧でブレーキレバーがこちらに押されてしまうので、指で抑えていたという。そんな速度域を体験したことないが、たしかに凄い風圧であるのは想像できる。

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ヘッドライト、テールライト、ナンバープレートのライト全てがLEDになった。意外にも純正でのヘッドライトのLED装着は、スズキでは新型のR1000が初めてとのこと。

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教えてもらってびっくりしたのは、空気抵抗を減らすためにいろいろな個所の変更をしているが、一例を挙げると、フロントフェンダーのビスを『平にしている』。確認すると、本当に出っ張っていない。ここまでするのかと、ただただ驚いた。

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タイヤも凄くて、これはもう、レース仕様なのではないかと思った。聞くと、グリップ力はレース仕様のひとつ下で、市販では最も性能の高いものだという。ただしハイグリップすぎて、5000㎞ぐらいで交換になると思う、とも言われた。

2016年モデルのR1000と比べ、10万円ほど高くなっているが、説明するまでもなく、10万円の価値よりもはるかにはるかに大きな改良がされてある。そしてR1000とR1000Rの価格差は30万円ほどあり、これも、フロントフォークにサブタンクが付いたりABSがより複雑な機能をもつものになったりと、わかる人には30万円以上の価値がある。実際に、既に予約した人の多くはR1000Rを買っているとのこと。R1000は価格も素晴らしく、ライバルのすべてが200万円を超えているなか、R1000のみ1,868,400円(税込)と200万円を切っている。こんな性能のバイクを200万円ぐらいで買えるなんて奇跡だ。

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個人的に、1000㏄のSSでもっとも見かけるのはR1000なので、店員にどれが一番売れているか聞いてみると、「国内に限ってはわからない」。しかし世界規模でいえば、このクラスはR1000が断トツで売れているという。なぜならもっとも性能が良くて、そのうえ安い、それが世界で評価されている理由だという。その話を聞いて私は驚いた。「安いは数字に出るのでわかります、ただ性能は本当ですか?」と聞くと、「R1000が一番凄い、これは外国でも、評論家でも多くの人がそう評価している。外国の評価をみれば、それが事実だと理解できると思います」。R1000は、私が考えていた以上に、もっともっと凄いバイクなのだろう。この質問はしなかったが、お店の人の雰囲気をみると、5月に出たCBR1000RRに負けるはずがない、という確固たる自信があると感じた。

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今回、スズキの新型GSX-R1000を見にいって、私が想像していた以上に、これは凄いバイクなのだろうと理解できた。考えさせられたのは、R1000と隼を比較した質問への答えである。「隼は年配の方がよく乗っている。R1000は歳をとってから乗るのは厳しい。たとえば振動などがモロに伝わる。これはもう、フェラーリなどと同じで、フェラーリはうるさすぎて会話もできないほどだが、その代わりに走りが凄い。R1000は歳をとってから乗るのは厳しいので、若い人には、今のうちに乗った方がいいのではないですか、と私は提案しています」。これを聞いて、サーキットを走る予定はない私は、今までSSを乗ろうと真剣には考えていなかったが、やはりバイク乗りである以上、SSに一度は乗らねばならないかな…、とも思った。であれば、30代でR1000に乗った方がいいだろう。私が感じたのは、1000㏄のSSは各社が本気でつくっているのでどれも魅力あるが、スズキのR1000がもっとも『夢を感じる』ということ。価格も一番安いので、このクラスを買おうとしている人にとっては、GSX-R1000がベストチョイスやと思う。この店だけで既に〇台売れたと言っていた。そりゃそうだ、R1000はR1より30万円ほど安く買える。これほどの華があり、同じレベルの性能やスピードをクルマで味わうなら、1000万円を超えるGT-Rを買わねばならないのに、R1000は200万円を切っている。これは驚愕する価格設定だ。むちゃくちゃ安い。ちなみにGT-Rより速いとのこと。これほどまでに素晴らしい性能のバイクを安価な価格で提供するスズキに最大の敬意を払いたい。残念ながら今の私がR1000に乗っても、このバイクの凄さの度合いが理解できないだろう。それでもいつかは、GSX-R1000のオーナーになりたいと思った。スズキは凄い。

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