平泉を訪れる 中尊寺・毛越寺・無量光院・義経堂

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平泉は約100年ものあいだ、栄華を誇った奥州藤原氏の拠点である。奥州藤原氏の初代は清衡で、彼が中尊寺を建立し、ここに有名な金色堂がある。二代目は基衡で、彼が毛越寺(もうつうじ)を、三代目の秀衡が無量光院を建立する。そして四代目の泰衡の代で鎌倉幕府に滅ぼされ、奥州藤原氏の歴史は終わる。

平泉に多大な関心を抱いていたので、訪れることができてうれしい。今はゴールデンウイークで、バイクに乗って平泉へ向かっていると雨が降ってきた。もちろん晴れているほうがいいが、雨の境内は趣がある。

月見坂を進むと、まずは左手に弁慶堂があり、その先の右手に本堂がある。さらにそこから奥へ進むと左手に金色堂である。金色堂は冒頭の写真の建物のなかにあり、拝観料を払って観ることができる。なるほど、実際に観ないとわからないことだなぁと思ったのは、実はそれほど大きくはなく、高さは4mぐらいだったと記憶している。これはすべてを金で作っており、それほど奥州藤原氏の領土で金が採れたということでもあり、豊富な資金力を要した証左でもある。たとえば金閣寺は金箔を貼ってあるだけで、金でできている金色堂とはまったくちがう。マルコ・ポーロの「東方見聞録」で黄金の国・ジパングと日本が紹介されているが、日本で金が豊富に採れるというソースは金色堂からきているといわれている。

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 桜と北上川f:id:suzaku-umenoya:20170826001039j:plain

 本堂

 

中尊寺から直線距離で500mほど離れた地に、基衡が建立し、秀衡が完成させた毛越寺がある。毛越寺中尊寺を凌ぐほどの繁栄をしていたといわれており、土地の半分ほども占める大泉が池という浄土庭園がある。頻繁にしているのか、たまにしかやらないのかわからないが、鹿踊りを観ることができた。

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 左手には御朱印

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毛越寺からすこし離れた場所に無量光院跡がある。名のとおり無量光院は再建されておらず、池しかない。池しかないが、この地で目を閉じて佇んで、800年以上前に繁栄した都市を想像する愉しみがある。私も入館した平泉文化史館に展示してある有名な奥州藤原氏の絵図には、上に初代の清衡がいて、下に並んで基衡、秀衡がいる。一族を滅ぼした泰衡は悪い奴とされているのでそのなかに加わってないが、その認識は間違いかもしれない。なぜなら幕府が攻めるきっかけとなった義経の保護をしたのは秀衡だからだ。したがって泰衡はバカだと決めつけることはできない。

都から遠く離れた平泉では、防衛をさほどは強化していなかったはずで、それは泰衡の責任ではなく誰が統領であっても幕府から攻められれば負けていただろう。

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最後は義経の死に場所といわれている義経堂へゆく。義経にとっては殺されたので嫌な場所だろうが、この地から北上川を眺めると、非常に美しい景観で感動する。平泉を訪れた芭蕉が素晴らしい句を残した理由が理解できる。司馬遼太郎氏は義経を、「日本史が得た最初のヒーロー」と評した。ちなみに昨日の8月26日に氏原作の「関ケ原」が上映された。私は原作を持っていて、非常におもしろい小説だ。関ケ原の戦いはいろんな角度から考えることができるが、私が挙げる勝敗を決めた最大のポイントは、三成の嫌われっぷりである。こういうEQが0の時点で総大将になってはいけない。

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東京以西に住む人にとって、平泉へ行くのは大変である。が、歴史好きなら一度は訪ねたい土地であり、わざわざ遠くから訪れる価値はある。

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 中尊寺の本堂

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 毛越寺 入口

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 義経

 

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