「スズキファンRIDEフェスタ」に参加する 新型GSX-R1000R! 2017年東京
スズキの試乗会に行くのは今回で3度目である。東京では毎年お台場でやっているが、場所は違っていて、今年はヴィーナスフォート、BMWのショールームの横で行う。今日は30°を超えるほどの良い天気で、試乗には最高の日だ。ちょっと早めに着いたのやが、既にたくさんの人がいて驚いた。年を重ねるごとにイベントの知名度が上がっているのだろう。昼休憩時に、じゃんけんで勝ち続ければ商品をもらえるじゃんけん大会があるが、そこで「試乗会に今年初めて来た人は?」の質問に、多くの人が挙手していたので、やはり今までで最も人が多かったのだろう。そして今年はスズキの新車ラッシュで、GSX250R、ジクサー、Vストローム650&1000&250、GSX-S750、そしてGSX-R1000が発売された。特にR1000を目当てに来ている人が多いと思われる。1000㏄のSSに試乗する機会などめったにない。それはスズキもよく理解してくれていて、正確な台数は忘れたがR1000を6台ぐらい、さらにGSX-R1000Rを4台も用意してくれた。これは本当に凄い、スズキがこの試乗会にかなり力を入れているのがわかるし、スズキのサービス精神を感じることもできる。去年はたくさん用意してあった隼が今年は3台だけで、やはりメインはR1000である。
私は13時過ぎで帰らねばならないので時間の制約がある。計4回乗ったが、そのすべてがR1000である。理想をいえば、私のバイクの新型モデルであるS750に乗ってみたかったし、GSR750に乗ることで、改めてS1000に乗って違いを確認してみたかったし、Vストローム1000と650にも乗りたかったし、私が前に乗っていたGSR250をベースにしたGSX250RとVストローム250にも乗りたかった。しかしながら、R1000の魅力に感動したので、全てR1000に乗ろうと思ったのだった。
さて、今回の試乗会ではR1000の待ち時間が30~40分もあるほどの大盛況やったが、感じたことが2つ。まずは、客の多くが年配者である。大きなバイクに乗る若い世代が少ないことが、ここへ来ることでもわかる。そして見た目がオタクっぽい人が多い。今やバイクを趣味とする人は、電車の写真を撮るのが趣味な人達と同じく、オタクの領域に入っているのだろう。よくない風潮やと思うが、とはいってもどうしようもない。
もうひとつは、「スズキは偉い」。1メーカーの試乗会として考えれば、かなりの規模である。発売されたばかりの200万円するバイクを10台も用意するなんてふつうはしないだろう。他の車種もたくさん用意してあり、さらにそれを全国で行う。これは本当に凄い。ヤマハとカワサキはこのようなイベントはやっていないし、ホンダは関東なら春に磯子でやっていると思うが、これほどの台数は用意していないだろう。スズキはなぜこんなことを毎年やっているのか。もともとサービス精神が旺盛なのかもしれないが、他メーカーとの違いは、スズキだけ二輪部門が赤字であること。(2016年度はインドネシア以外、黒字になったとのこと)見方によってはこの赤字は非常によくない、スズキは四輪で儲けているから二輪の赤字を吸収できているが、スズキが純粋なバイクメーカーであったなら、かつてのトライアンフのように経営破綻している。したがってブランドイメージ向上のため、そしてスズキのバイクに乗ってもらって、自社の製品を知ってもらいたいと努力しているわけだ。では、この試乗会によってスズキの販売台数に影響があるかといえば、おそらくほぼ関係ないと思う。なぜか。影響があるなら他メーカーもやるはずだからだ。他メーカーがしないのは、大変な思いと金をかけてまで行うメリットがないからだろう。
したがって実利で考えれば、この試乗会を全国で開催する意味はないと思う。思うが、ひとつだけ言っておきたいことがある。私は他メーカーも好きやが、特にスズキのファンである。ファンになった理由はいくらかあるが、ひとつにはこの試乗会の存在がある。私のようなバイク乗りにとって、スズキの多くの車種に乗れる試乗会は本当に嬉しい。それが影響したのか、GSR250を買い、11000㎞しか走っていないのに、つまり壊れたとかではないのにGSR750に乗り換えた。もちろんスズキワールドで買った。前述の理由から、この試乗会を行っても販売台数にあまり影響しないと思われるが、少なくとも私は、スズキのバイクを買ったのである。試乗会を毎年開催してくれてかつ、魅力あるモデルを作り続けてくれるなら、私は一生、スズキのバイクに乗り続けるかもしれない。
駐輪場、左奥はかつての船の科学館
隼
GSX‐S750
V-Strom1000